地盤改良工事において、固化材と土質の相性を誤ると硬化不良や六価クロム溶出のリスクが生じるため、現場条件に応じた適切な材料選定が必要となります。この際、主に活用されているのがセメント系固化材です。
本記事では、地盤改良で使われるセメントの種類や選び方、注意点を簡潔に解説します。
地盤改良で用いられるセメント系固化材は、一般的なコンクリート用セメントを基に、土質との反応を高める成分を配合した専用材料です。土に含まれる水分と化学反応を起こし、強固な硬化体を形成する役割を担います。土の種類を問わず安定した強度を得やすいため、住宅から大規模施設まで幅広く採用されています。
地盤改良に使われる固化材には、現場の土質や環境配慮の目的に応じて主に4つのタイプが存在します。それぞれの特性を理解し、適切なものを選定しなければなりません。代表的な分類は以下の通りです。
| 種類 | 特徴 | 適した土質 |
|---|---|---|
| 一般軟弱土用 | 汎用性が高く、砂質土から粘土まで幅広く対応可能 | 砂質土・粘性土 |
| 高有機質土用 | 腐植土などの固まりにくい土壌でも確実に硬化する | 腐植土・黒土 |
| 低六価クロム型 | 有害物質の溶出リスクを抑え、環境基準に適合しやすい | 火山灰質粘性土(関東ローム等) |
| 発塵抑制型 | 粉塵の飛散を抑えた加工により、近隣住宅への配慮が可能 | 住宅密集地の全土質 |
一般的な土壌であれば汎用タイプが選ばれますが、腐植土のような有機物を多く含む地盤では、通常のセメントでは硬化不良を起こす恐れがあります。その場合は高有機質土用固化材の活用が必須です。周辺環境や土壌汚染のリスクを考慮して、特殊な機能を持つ製品を使い分ける判断が求められます。
固化材を選ぶ基準は、事前の地盤調査で判明した土の性質にあります。砂質土のように水はけが良い土壌では一般用で十分な強度が出ますが、粘土質が強い場合は水分量が多いため、配合設計を慎重に行う必要があります。特に関東ローム層などの火山灰質粘性土では、土質に特化した固化材の選定が工事の成否を分けるポイントです。
土壌に含まれる成分によっては、セメントの硬化を妨げる物質が存在するケースも珍しくありません。事前に室内配合試験を実施し、目標の強度が得られるか確認するプロセスが推奨されます。地盤改良会社と相談しながら、土地の個性に合わせた配合を決定することが、将来の沈下リスク回避に直結します。
セメント成分と土壌が反応する際、人体や環境に有害な六価クロムが溶出してしまうことがあります。これはセメント原料に含まれるクロムが、特定の土質条件において酸化することで発生する現象です。特に粘性土との反応で生じやすい傾向があり、環境基準値を超えるリスクがある場合は、厳格な対策を講じる必要があります。
汚染リスクを避ける方法は、低六価クロム型の固化材を使用することです。製品段階でクロムの溶出を低減させる処理が施されており、安全性が担保されています。あるいは、セメントを使用しない天然砕石を用いた工法を選択するのも有効な手段です。土地の価値を守り、環境負荷を抑える工法選びが、現代の地盤改良には不可欠といえます。
地盤改良材は、現場の土質や環境条件に合わせて使い分けることが重要です。一般用から特殊土用、環境配慮型まで、その特徴を正しく把握することで、不同沈下や土壌汚染のリスクを未然に防げます。信頼できる施工会社による提案を受けることが、強固な基礎作りの第一歩となるでしょう。
本メディアでは、東京の施工環境に対応できる地盤改良会社を建物の規模別に紹介しています。専門業者の検索にご活用ください。
ここでは、「戸建て住宅」「マンション・アパート」「高層マンション」など建物の規模別に、おすすめの地盤改良・地盤補強会社を3社紹介。
施工条件が厳しい東京エリアに対応している会社を厳選しています。
幅広い工法提案力と小型施工機で
小規模建築に対応
コンパクト施工と高支持力な工法で
中規模建築に対応
高支持力・低騒音を両立した工法で
大規模建築に対応
※1 N値50の地盤条件下での比較において、押込み451.0〜2,521.0kN、引抜き459.8〜1,923.9kNの支持力。中規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。
支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:報国エンジニアリング公式HPより(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※2 参照元:報国エンジニアリング公式HP(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※3 先端地盤が砂質土・礫質土で、拡大掘削倍率ω=2.00、先端平均N値50、節部径φ1200の条件において、最大約16,000kN級の先端支持力。
大規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:ジャパンパイル公式HP(https://www.japanpile.co.jp/method/pdf/hyper-mega.pdf)