地盤改良工事の中でも採用頻度の高い柱状改良工法は、使用する材料や施工手順によって工法の種類が多岐にわたります。現場の地盤条件や建物規模に応じて適切な工法を選定することで、施工品質の確保と発注コストの抑制を両立させることが可能です。
本記事では、主要な工法や地盤に合わせた工法の選び方について解説します。
柱状改良は、補強体を形成する素材によって大きく3つのカテゴリーに分類されます。そのため、地質との相性や環境への影響を考慮した選択をすることが必要となります。代表的な分類と特徴を以下の表にまとめました。
| 分類 | 特徴 | 代表的な工法 |
|---|---|---|
| セメント系 | 土とセメントミルクを撹拌し、強固な柱を築く主流の方式 | ピュアパイル工法、コラムZ工法 |
| 砕石系 | 天然の砕石を詰め込み、排水効果と環境負荷の低さを両立 | エコジオ工法、ハイスピード工法 |
| 木材系 | 腐朽処理を施した間伐材等を利用する、炭素貯蔵に優れた手法 | 環境パイル工法 |
現在、戸建て住宅の現場で多く採用されているのはセメント系です。施工実績が豊富であり、強度計算の信頼性が高い点がメリット。一方で、将来的な土地売却時の撤去費用や環境リスクを考慮し、環境配慮型の地盤改良を選ぶケースも増えています。
柱状改良の中には、独自の技術で強度や施工性を高めた専門工法が複数存在します。それぞれの工法はセメントの配合や撹拌方式、施工機械の種類などが異なり、地盤条件や建物の規模によって適切な工法を選択する必要があります。
どの工法が適切かを見極めるためにも、まずは代表的な工法の特徴を理解しておきましょう。
セメントミルクのみを地中に注入し、高強度のコンクリート柱を形成します。土と混ぜ合わせないため、腐植土などの特殊な土壌でも強度が安定しやすい点が魅力。掘削時に土を外へ排出しないため、残土処分費の抑制しやすいメリットがあります。
柱状改良体の中に鋼管を挿入し、コンクリートと鋼材の長所を組み合わせたハイブリッドな工法です。通常の改良体に比べ、横方向の力に対する耐性が向上。強大な支持力が必要な重い建築物に適しています。
専用の撹拌翼を用いて、土とセメントミルクを均一に混ぜ合わせる技術です。従来の工法よりも撹拌性能が高く、柱体の品質ムラが少ないことが大きな特徴。幅広い土質への柔軟な対応が期待できる工法といえます。
小口径の鋼管を回転貫入させる技術を応用した、特殊なセメント系柱状改良の一種。低騒音・低振動での施工に優れており、住宅密集地での工事に適しています。施工管理システムにより適切な品質管理が可能です。
大がかりな重機を必要とせず、小型の施工機で対応可能な工法です。搬入路が狭い現場や、傾斜地などの条件下で威力を発揮。コストパフォーマンスにも優れており、小規模住宅の地盤補強において効率的な選択肢となります。
スラリーを噴射しながら地盤を固める方式を採用しています。機械的な撹拌に加え、高圧噴射の力を利用して強固な改良体を構築。深度が深い地層まで改良が必要な場合に選ばれることが多く、安定した支持層の確保に有効です。
工法を選ぶ基準は、建物の重量と支持層までの深さにあります。木造2階建てならセメント系柱状改良が一般的ですが、重量のある建物では鋼管杭が必要な場合も。地盤の状況に合わせて工法を診断することが失敗しない秘訣です。
地盤改良には、深度2m以内なら低コストな「表層改良」、8mを超える深層なら「鋼管杭」という選択肢があります。柱状改良は、その中間である深度2m~8m程度で費用対効果が高くなるバランスの良い工法です。現場条件を見極めて使い分けましょう。
柱状改良には多くの種類があり、得意とする土質やコスト感が異なります。大切なのは、地盤調査の結果に基づいた適切な判断です。施工会社の提案内容と地盤調査データを照合し、現場条件に合致した工法を選定してください。
本メディアでは、東京の施工環境に対応できる地盤改良会社を建物の規模別に紹介しています。専門業者の検索にご活用ください。
ここでは、「戸建て住宅」「マンション・アパート」「高層マンション」など建物の規模別に、おすすめの地盤改良・地盤補強会社を3社紹介。
施工条件が厳しい東京エリアに対応している会社を厳選しています。
幅広い工法提案力と小型施工機で
小規模建築に対応
コンパクト施工と高支持力な工法で
中規模建築に対応
高支持力・低騒音を両立した工法で
大規模建築に対応
※1 N値50の地盤条件下での比較において、押込み451.0〜2,521.0kN、引抜き459.8〜1,923.9kNの支持力。中規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。
支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:報国エンジニアリング公式HPより(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※2 参照元:報国エンジニアリング公式HP(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※3 先端地盤が砂質土・礫質土で、拡大掘削倍率ω=2.00、先端平均N値50、節部径φ1200の条件において、最大約16,000kN級の先端支持力。
大規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:ジャパンパイル公式HP(https://www.japanpile.co.jp/method/pdf/hyper-mega.pdf)