SWS試験とは、戸建住宅で広く普及している地盤調査方法です。手順や費用、ボーリング試験との違いを解説します。
SWS試験とは、正式名称を「スクリューウエイト貫入試験」といい、戸建住宅など小規模建築物の地盤調査でよく用いられます。
ロッドを地盤に垂直に貫入させ、地面への沈み方から地盤の硬さや締まりを判定する静的貫入試験の一種。かつては「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていましたが、2020年10月の改正で、現在の名称に変更されました。
国際規格に国名が含まれていないことや、日本国内で独自に発展してきたことが背景です。地盤調査で何を確認するのか、まず押さえておきましょう。
引用元:一般社団法人 地盤品質判定士会(https://hanteishi.org/post-2767/)
SWS試験がもっとも多く実施されるのは、木造2階建て以下の戸建住宅(小規模建築物)における基礎設計に先立つ地盤調査です。
具体的には、
などの幅広い発注シーンで採用されています。
一方で、3階建てや鉄骨造・RC造など、確認申請に構造計算書の添付が必要な物件では、SWS試験だけでは不足であり、ボーリング試験(標準貫入試験)が必要になります。
自案件がどちらに該当するかを事前に見極めることが、無駄な調査費用や手戻りを防ぐポイントです。
SWS試験は、現場で次の手順により実施されます。
まず、先端にスクリューポイントを装着したロッドを地盤に垂直に立てます。次に、0.05kN、0.15kN、0.25kN、0.50kN、0.75kN、1.00kNの順に段階的に荷重を載せていき、各段階でロッドが自沈するかどうかを観察します。
1.00kNの荷重でも自沈が止まった場合は、ハンドルを右回転させ、25cm貫入するのに要した半回転数(Na)を記録します。この作業を、深度10m程度まで、または25cm貫入に要する半回転数が85回を超えるような硬い層に達するまで繰り返します。
測定終了後はロッドを引き抜き、孔内の水位も併せて記録します。測点は建物の四隅と中央を合わせた計5点を調査するのが標準です。
参照元:ジオテック株式会社(https://www.jiban.co.jp/service/survey/tyosa02.htm)
SWS試験の費用は、戸建住宅1棟(測点5点)で概ね5万円から10万円程度が相場です。業者や地域によっては2万円から6万円台からの提示となるケースもあります。費用が変動する主な要因は、以下のとおりです。
参考までに、ボーリング調査は1ポイントあたり20万円から30万円が相場とされており、SWS試験は費用面で選ばれやすい調査方法といえます。なお、東京都内などの狭小地では、機材の搬入条件によって費用が割増になる可能性もあるため、見積もり時に確認しておくとよいでしょう。
参照元:ワールドシェアセリング(https://unithouse.wssl.co.jp/page-column_47/)
SWS試験は、木造2階建て以下の戸建住宅など小規模建築物の許容応力度算定に用いられるのが主な用途です。
一方、ボーリング試験(標準貫入試験)は、3階建てや鉄骨造・RC造など、確認申請に構造計算書の添付が必要な大規模建築物で採用されます。
つまり、両者は適用対象そのものが異なります。SWS試験は簡易調査であるため、支持層の確認や液状化判定の主軸となる調査には向いていません。
引用元:ジオテック株式会社(https://www.jiban.co.jp/service/survey/boring.htm)
SWS試験は、最大1.00kN(100kgf)の静的荷重とロッドの回転による静的貫入方式で、25cmごとの貫入抵抗を測定します。一方、ボーリング試験(標準貫入試験)は、63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させる打撃回数(N値)を1mごとに測る動的貫入試験です。ボーリング試験は土のサンプリングも同時に行うため、土質観察にも活用できる点が異なります。
引用元:ジオテック株式会社|スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)(https://www.jiban.co.jp/service/survey/tyosa02.htm)
引用元:ジオテック株式会社|ボーリング標準貫入試験(https://www.jiban.co.jp/service/survey/boring.htm)
SWS試験の現場作業は1測点あたり30分程度で、全体では半日から1日程度で完了します。一方、ボーリング試験は現場作業に1日から数日、報告書が完成するまで10日から2週間程度かかります。
そのほか、狭小地対応の面でも、SWS試験は狭い土地に設置できますが、ボーリング試験は乗用車2台分以上のスペースが必要になる点が異なります。
参照元:ワールドシェアセリング(https://unithouse.wssl.co.jp/page-column_47/)
参照元:ジオテック株式会社(https://www.jiban.co.jp/service/survey/boring.htm)
SWS試験の適応範囲は、深度10m程度から最大15m程度までとされています。摩擦の補正を行わないため、10mを超えると精度が低下しやすくなります。
また、半回転数が85回に達しても25cm貫入しない硬い層は突破できず、支持層の確認には不向きです。
一方、ボーリング試験はどれほど深く硬い層でも掘り進め、N値50以上の層が5m連続すれば支持層を確認できます。不攪乱試料の採取も可能なため、土質区分や物理試験まで対応できます。
参照元:サムシング(https://www.s-thing.co.jp/jiban_chosa/chosa_hoho/houhou_kekka/)
引用元:ジオテック株式会社|スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)(https://www.jiban.co.jp/service/survey/tyosa02.htm)
引用元:ジオテック株式会社|ボーリング標準貫入試験(https://www.jiban.co.jp/service/survey/boring.htm)
自案件がどちらの調査に該当するかは、次の判断フローで整理できます。木造2階建て以下の戸建住宅で許容応力度を確認したい場合は、SWS試験で十分対応可能です。
一方、3階建て以上や鉄骨造・RC造などの大規模建築物、支持層深度が15m以深と想定される場合、液状化判定を厳密に行いたい場合は、ボーリング試験を選ぶ必要があります。
比較検討中の建築会社様は、依頼前に自案件の条件を下表と照らし合わせてご確認ください。判断に迷う場合は、複数の地盤調査会社に相談することもおすすめです。
| 比較項目 | SWS試験(スクリューウエイト貫入試験) | ボーリング試験(標準貫入試験) |
|---|---|---|
| 適用建物 | 木造2階建て以下の戸建住宅など小規模建築物 | 3階建て・鉄骨造・RC造など構造計算書添付が必要な建築物 |
| 貫入方式 | 最大1.00kNの静的荷重+ロッド回転(静的貫入) | 63.5kgハンマーの自由落下(動的貫入) |
| 費用目安 | 1棟5点で5万〜10万円程度 | 1ポイントあたり20万〜30万円程度 |
| 期間目安 | 半日〜1日程度 | 現場1日〜数日、報告書まで10日〜2週間程度 |
| 調査深度 | 深度10m程度〜最大15m程度 | 制限なく深い層まで調査可能 |
| 支持層判定 | 不向き(85回で25cm貫入不能な層は突破不可) | 可能(N値50以上の層が5m連続で確認) |
参照元:ワールドシェアセリング(https://unithouse.wssl.co.jp/page-column_47/)
参照元:ジオテック株式会社(https://www.jiban.co.jp/service/survey/boring.htm)
参照元:サムシング(https://www.s-thing.co.jp/jiban_chosa/chosa_hoho/houhou_kekka/)
SWS試験は、戸建住宅など小規模建築物の地盤調査に適した簡易・低コストな調査方法です。3階建て以上や鉄骨造・RC造、深い支持層の確認が必要な案件ではボーリング試験が必要になります。
自案件の規模や目的に応じて適切な調査方法を選び、信頼できる地盤調査・地盤改良会社に相談することが、安全な建物づくりの第一歩となります。
ここでは、「戸建て住宅」「マンション・アパート」「高層マンション」など建物の規模別に、おすすめの地盤改良・地盤補強会社を3社紹介。
施工条件が厳しい東京エリアに対応している会社を厳選しています。
幅広い工法提案力と小型施工機で
小規模建築に対応
コンパクト施工と高支持力な工法で
中規模建築に対応
高支持力・低騒音を両立した工法で
大規模建築に対応
※1 N値50の地盤条件下での比較において、押込み451.0〜2,521.0kN、引抜き459.8〜1,923.9kNの支持力。中規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。
支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:報国エンジニアリング公式HPより(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※2 参照元:報国エンジニアリング公式HP(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※3 先端地盤が砂質土・礫質土で、拡大掘削倍率ω=2.00、先端平均N値50、節部径φ1200の条件において、最大約16,000kN級の先端支持力。
大規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:ジャパンパイル公式HP(https://www.japanpile.co.jp/method/pdf/hyper-mega.pdf)