葛飾区は軟弱地盤が広がり、液状化リスクも高いエリアです。地盤改良で押さえるべき調査・工法・助成・業者選びのポイントを解説します。
葛飾区は区全体が低地にあたるため、建築前に地盤の状態をきちんと確認しておく必要があります。まずは地形の成り立ちと液状化リスクを押さえましょう。
葛飾区の地盤は、全体として軟弱な傾向にあります。区は旧利根川沿いに発達した沖積低地で、利根川・荒川の堆積作用によってできた沖積平野のため、軟らかい砂や泥が主体です。もともと低地だったことに加え、地下水の汲み上げが盛んに行われて地盤沈下が進んだ結果、区の半分以上が東京湾の満潮時の平均海面より地盤が低いゼロメートル地帯となっています。
土地条件図を見ると、区内の大部分が「人工地形(盛土地・埋立地)」に区分されています。低地に土を盛って造成した土地や水部を埋めた土地にあたり、一般に浸水や液状化のリスクがあるとされています。
参照元:三井住友トラスト不動産「東京都葛飾区の防災情報」(https://smtrc.jp/drr/city/tokyo-katsushika/index.html)
参照元:ノムコム「街から」(https://www.nomu.com/machikara/5855/)
葛飾区では、東京都が公表した液状化予測で区内のほぼ全域にわたって、液状化の可能性があるとされています。平成23年3月の東日本大震災でも、区内で液状化による被害が発生しました。
区内でも、とくに注意が必要とされているのは次の場所です。
過去の液状化の記録や旧溜池の情報は、区役所の建築課で閲覧が可能です。
参照元:葛飾区パンフレット「地震による地盤の液状化 あなたの家は大丈夫?」[※PDF](https://www2.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/017/885/r8ekijoukapanhu.pdf)
参照元:葛飾区公式サイト(https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1003399/1030171/1017885.html)
液状化リスクが高い葛飾区では、「調査方法」「工法」「助成制度」の3点を最初に検討しておくことで、後からの手戻りや費用負担を減らせます。
液状化の可能性まで確認するなら、SWS試験に加えてボーリング調査を行いましょう。区の地盤調査助成を受けるには、ボーリング調査・室内土質試験・液状化判定の結果をまとめた地盤調査報告書の提出が必要で、SWS試験は助成対象外です。
区が無料で派遣する液状化判定調査(PDC調査)は簡易的な調査のため、建築確認にあたっては、建物規模等により別途地盤調査が必要になります。周辺の柱状図は、区役所3階の区政情報コーナー(304番窓口)で街区単位で閲覧できます(※資料がない街区もあります)。
参照元:葛飾区公式サイト(https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1003399/1030171/1017885.html)
参照元:葛飾区公式サイト(https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1003399/1030170/1003434.html)
工法は、軟弱層の深さと建物の重さで選ぶのが基本です。主な3工法の使い分けは次のとおりです。
| 工法 | 適した条件 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表層改良 | 軟弱層が地表から2mまで | 地下水位が改良面より高いと施工できない |
| 柱状改良 | 軟弱層が地中2〜8m | 有機質土では固化不良が起こることがある |
| 小口径鋼管杭 | 支持層まで杭を届かせる。3階建てなど重い建物にも対応 | 支持層がないと施工できない |
液状化への事前対策は、建物がある状態では施工が難しいため、新築・建替えのタイミングで検討しましょう。区の液状化対策助成はセメント系固化材による改良工法などが対象のため、助成を使うなら工法選定時に区へ確認しましょう。
参照元:住まいの安心研究所(https://sumaken.j-shield.co.jp/buy-house/request-ground-improvement-work.html)
参照元:葛飾区パンフレット「地震による地盤の液状化 あなたの家は大丈夫?」[※PDF](https://www2.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/017/885/r8ekijoukapanhu.pdf)
着工前に区の助成制度を確認しておきましょう。
| 制度 | 助成内容 |
|---|---|
| 地盤調査助成 | 費用の10/10(最大50万円) |
| 液状化対策助成 | 費用の1/2(最大130万円) |
液状化対策助成は、区の承認を受ける前に工事を始めると、助成の対象外になります。令和8年度の承認申請の締切は令和8年12月11日(金)です。
承認申請には施工計画書、構造計算書の写し、請負業者の建設業許可を証する書類などが必要で、業者の書類対応力も重要です。
東京都も、新築・建替え時の液状化判定調査の費用を最大10万円補助しています。金額や締切は変わる可能性があるため、最新情報は区・都の公式サイトで確認してください。
参照元:葛飾区公式サイト(https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1003399/1030171/1017885.html)
参照元:葛飾区「液状化対策助成金交付申請・請求 書類」(https://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/041/526/r8-ekijoukataisaku-tyekkurisuto.pdf)
参照元:東京都 建物における液状化対策ポータルサイト(https://kenchiku-ekijoka.metro.tokyo.lg.jp/)
住宅が密集する地域で地盤改良を行う場合は、地盤の条件に加えて「施工機が入れるか」「近隣に迷惑をかけないか」も確認しておく必要があります。
狭小地では、着工前に搬入経路と施工機の寸法を照らし合わせることが欠かせません。重機や資材の搬入経路が限られると、工期の遅れやコストの増加につながるためです。
前面道路の幅、搬入路の最も狭い部分の幅、間口、電線などの上空障害を現地で測り、業者が保有する施工機の機械幅と比べましょう。狭小地向けには機械幅1m前後の施工機もあり、搬入路の最小幅が1.4mの現場や電線の真下で施工した事例もあります。
参照元:イプロス業界別専門サイト(https://pro.www.ipros.com/pro-site/1107/purpose/11070218)
参照元:アキュテック株式会社(https://www.e-accutech.com/service/improvement/kyoshouchi/)
住宅密集地では、騒音・振動・粉塵が近隣に伝わりやすく、クレームにつながるおそれがあります。低騒音・低振動の工法を選び、工事の時間帯にも配慮したうえで、事前に近隣へ周知しておきましょう。あわせて、残土をどこまで処理するのか、その費用はいくらかを見積もりの段階で明確にしておくと、トラブルを防げます。
葛飾区で業者を選ぶときは、地盤の条件、敷地の条件、助成の申請という3つの面に対応できるかを確認しましょう。
判断に迷う場合は、東京都の「液状化対策アドバイザー制度」を無料で利用でき、対策工法の選び方などを相談できます。
参照元:葛飾区「液状化対策助成金交付申請・請求 書類」(https://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/041/526/r8-ekijoukataisaku-tyekkurisuto.pdf)
参照元:東京都 建物における液状化対策ポータルサイト(https://kenchiku-ekijoka.metro.tokyo.lg.jp/study.html)
葛飾区は軟弱地盤が広がり、区内のほぼ全域で液状化の可能性があります。地盤改良では、ボーリング調査で地盤を正しく把握し、建物の規模に合った工法を選ぶことが基本です。
区・都の助成は着工前の申請が必須で、業者の書類対応力も問われます。狭小地では搬入条件と近隣への配慮も確認したうえで、信頼できる業者を選びましょう。
ここでは、「戸建て住宅」「マンション・アパート」「高層マンション」など建物の規模別に、おすすめの地盤改良・地盤補強会社を3社紹介。
施工条件が厳しい東京エリアに対応している会社を厳選しています。
幅広い工法提案力と小型施工機で
小規模建築に対応
コンパクト施工と高支持力な工法で
中規模建築に対応
高支持力・低騒音を両立した工法で
大規模建築に対応
※1 N値50の地盤条件下での比較において、押込み451.0〜2,521.0kN、引抜き459.8〜1,923.9kNの支持力。中規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。
支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:報国エンジニアリング公式HPより(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※2 参照元:報国エンジニアリング公式HP(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※3 先端地盤が砂質土・礫質土で、拡大掘削倍率ω=2.00、先端平均N値50、節部径φ1200の条件において、最大約16,000kN級の先端支持力。
大規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:ジャパンパイル公式HP(https://www.japanpile.co.jp/method/pdf/hyper-mega.pdf)