戸建て住宅の地盤調査で行われる表面波探査法。振動を使って非破壊で地盤強度を「面」で把握できる手法ですが、SWS試験やボーリング調査とどう違うのでしょうか。仕組みや費用、東京の狭小地で選ぶ際の注意点まで解説します。
表面波探査法とは、起振機で地面にごく小さな振動(表面波=レイリー波)を発生させ、その波が検出器の間を伝わる速度を計測することで地盤の硬さを算出する物理探査法です。
硬い地盤ほど波が速く伝わり、軟らかい地盤ほど遅くなる性質を利用しています。ロッドを地中に貫入させないため非破壊での調査が可能で、アスファルト舗装の上からでも計測できる点が大きな特徴です。
基本スペックは、計測範囲は検出器間の通常1m円形範囲、深度10mまで、調査時間は2〜3時間程度。国土交通省告示1113号第一項に掲げられている「物理探査」に該当する、法令上正式な地盤調査手法です。
参照元:ビイック株式会社(https://www.vic-ltd.co.jp/business/jibanchousa/jibanchousa-whats-surface-wave/)
調査は、建物予定位置の四隅と中央の計5点で計測するのが基本です。各測点の振動伝達速度データを組み合わせることで、地盤を「点」ではなく「面」として立体的に評価できます。
得られる主なアウトプットは、1cm単位の地層境界・傾斜、1kN単位の地盤支持力、1mm単位の沈下量予測です。さらに、計測されるS波速度(せん断波速度)は、構造設計に用いられるN値や長期許容支持力へ換算できるため、客観的で再現性の高い設計データが得られます。
これらの情報は基礎地盤判定書としてまとめられ、基礎設計や改良工事の要否判断に活用されます。
参照元:ワールドシェアセリング地盤専用サイト(https://jiban.wssl.co.jp/column/surface-wave-exploration/)
参照元:ビイック株式会社(https://www.vic-ltd.co.jp/business/jibanchousa/jibanchousa-whats-surface-wave/)
表面波探査法の最大の強みは「面」での評価です。面で荷重を受けるベタ基礎の設計と相性が良く、過剰に弱い数値が出にくいと評価されています。
また、盛土表層が硬くSWS試験のロッドが貫入できない土地でも計測でき、非破壊のためアスファルトや既存土間の上からでも実施可能です。
敷地のごく一部だけが軟弱な場合には、軟弱範囲を面で特定できるため、敷地全体を改良する過剰改良を避けられ、地盤改良費まで含めたトータルコストの削減につながります。
参照元:ビイック株式会社(https://www.vic-ltd.co.jp/business/jibanchousa/jibanchousa-ss-comparison/)
一方で、深くなるほど伝達波のエネルギーが減衰し精度が低下するため、深度10m超の調査は不得手です。
また、擁壁や地中構造物が近傍にあると波が反射し、正確な値が得にくくなります。土質(砂・粘土など)、地下水位、伝播速度に差が出ない薄層は判別できない点も限界です。
そのため、3階建て・重量鉄骨造・液状化懸念地といった条件では、ボーリング調査など土質・地下水位が把握できる調査との併用が前提となります。
参照元:住まいの安心研究所(https://sumaken.j-shield.co.jp/buy-house/surface_wave_method.html)
表面波探査法は、非破壊で面的に地盤強度を把握できる特性から、戸建て住宅を中心に「SWS試験では条件が合わないケース」や「地盤改良の要否を面で見極めたいケース」で採用されることが一般的です。工務店や施主が本試験の実施を検討する主な状況として、以下のような場面が想定されます。
まず、盛土や再生砕石など表層が硬く、SWS試験のロッドが貫入しづらい敷地です。非破壊で計測できる表面波探査法であれば、貫入不能で調査が成立しないリスクを避けられます。加えて、既存住宅の建替えでアスファルトや土間コンクリートを解体する前に地盤の目安を掴みたい場合も、舗装上から計測できる本試験が向いています。
次に、ベタ基礎採用を前提とした木造2階建て以下の戸建て住宅で、面的な地盤の傾向を把握したいケースです。SWS試験の点データだけでは軟弱範囲が特定しづらく、敷地全体を過剰に改良してしまう懸念がある場合、面での評価によって改良範囲を絞り込みたいという動機で選ばれます。
また、造成地・傾斜地・切盛境界にまたがる敷地など、地盤の均質性に不安がある土地で、支持力や沈下量の分布を面で確認したい場合にも有効です。逆に、3階建て・重量鉄骨造・液状化懸念地・杭工事前提の建物では、表面波探査法単独では判断材料が不足するため、SWS試験やボーリング調査との併用を前提に採用されるのが一般的です。
3手法の位置づけを整理すると、表面波探査法は「面」、SWS試験は先端33mmのスクリューによる「点(線)」、ボーリング調査は「点」に加えて土質・地下水位まで把握できる調査です。戸建て住宅の費用相場は、表面波探査法が5〜12万円、SWS試験が5〜10万円、ボーリング調査が15〜30万円が目安です。
判断軸としては、ベタ基礎・小規模住宅で不要な地盤改良を避けたいなら表面波探査法、杭工事前提の重量建物や高精度な土質情報が必要ならボーリング調査、価格重視ならSWS試験が選ばれる傾向にあります。高精度を求める案件では、表面波探査法とSWS試験を併用するケースも有効です。
参照元:ワールドシェアセリング地盤専用サイト(https://jiban.wssl.co.jp/column/surface-wave-exploration/)
参照元:表面波探査法による住宅地盤調査のビイック株式会社(https://www.vic-ltd.co.jp/business/jibanchousa-whats-surface-wave/jibanchousa-comparison/)
東京は、江東・江戸川・葛飾など沖積低地に広がる軟弱地盤エリアと、山の手の切盛造成地が混在する地域です。特に狭小地や住宅密集地では、SWS試験機やボーリング用の重機を搬入しづらいケースが多く、軽量な起振機で計測できる表面波探査法は物理的に実施しやすい選択肢となります。
ただし、隣地擁壁・地中構造物・地下埋設物が近い都市部特有の環境では、反射により精度が低下しやすいため、測点配置や近隣状況の事前確認が欠かせません。
狭小地・傾斜地では作業手間により費用が割増になることもあるため、東京で地盤改良まで見据えて発注するなら、調査会社・地盤改良会社の東京での施工実績を必ず確認して選ぶことが重要です。
表面波探査法は、非破壊で「面」の地盤強度を把握でき、ベタ基礎設計や不要な地盤改良の回避に強みを持つ調査手法です。
一方で深部・土質・地下水位には限界があり、建物規模や土地条件によっては他手法との併用が必要になります。特に東京の狭小地では、実績のある会社を選ぶことが後悔しない発注につながります。
ここでは、「戸建て住宅」「マンション・アパート」「高層マンション」など建物の規模別に、おすすめの地盤改良・地盤補強会社を3社紹介。
施工条件が厳しい東京エリアに対応している会社を厳選しています。
幅広い工法提案力と小型施工機で
小規模建築に対応
コンパクト施工と高支持力な工法で
中規模建築に対応
高支持力・低騒音を両立した工法で
大規模建築に対応
※1 N値50の地盤条件下での比較において、押込み451.0〜2,521.0kN、引抜き459.8〜1,923.9kNの支持力。中規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。
支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:報国エンジニアリング公式HPより(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※2 参照元:報国エンジニアリング公式HP(https://www.hokoku-eng.jp/ground-improvement.html)
※3 先端地盤が砂質土・礫質土で、拡大掘削倍率ω=2.00、先端平均N値50、節部径φ1200の条件において、最大約16,000kN級の先端支持力。
大規模建築にも対応を検討しやすい支持力水準です。支持力は地盤条件や設計条件などにより異なります。
参照元:ジャパンパイル公式HP(https://www.japanpile.co.jp/method/pdf/hyper-mega.pdf)